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                                               食品ロス削減の第一歩 

                     ~農業の実態調査してみた~ 

 

 

          高梨ゼミ「食育農業班」は、 食品ロス削減への第一歩として、

         若者に農業の魅力を伝え、食材そのものの価値を知ってもらうため

          農業体験と食育を組み合わせた2つの取り組みを実施しました。  

         若者世代への意識改革を目指し、私たちの挑戦をぜひご覧ください! 

 

<内容> 

 

1.はじめに 

2.協力いただいた方の紹介 

3.第一弾『突撃!AGRICULTURE IN SUMMER!』 

4.第二弾『青空くっきんぐ』 

5.さいごに 

 

​​1.はじめに

 

 我々高梨ゼミの6人で構成された「食育農業班」は、①若者に農業の魅力を伝え、興味を持ってもらうこと、②規格外品の価値を理解してもらい、購買意欲を高めて食品ロス低減に努めることを目標として、以下の2つ活動を実施した。 

 

 第一弾は、9月28日に実施した『突撃!AGRICULTURE IN SUMMER!』である。第一弾の目的は二つある。一つ目は自分たちで野菜を収穫することを通じて、農業の楽しさや大変さを自ら実感することである。二つ目は農業、規格外品、さらに、株式会社QUALITEが開発した「SeaFect(シーフェクト)」について農業従事者の方々にインタビューを行い、第二弾である『青空くっきんぐ』に活かすことだ。 

 第二弾の『青空くっきんぐ』の目的は、ゼミ生以外の大学生にイベントに参加してもらい、収穫した野菜を使って調理したものを試食したり、農家さんの生活や規格外品について知ってもらうことである。第二弾は、いわゆる「食育」のイベントの実施でありは11月16日に実施した。  

今回この2つのプロジェクトを実施するに至った理由として大きく2つが挙げられる。第一に、日本の農業就業人口の低下である。村上(2024)では、1995年から2015年を比較すると、農家数は約1,900戸減少し、農業就業人口も約6,400人減少と減少傾向にあることが述べられていた[1] 。このような減少傾向続く中で、我々は若者に農業の魅力を伝え将来の担い手を育てるべきだと考えた。 

 第二に、食品ロス削減に貢献したいという我々の想いである。食品ロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことである。現在の日本の食品ロスは年間で500万~800万トンとされており、令和4年度では、472万トンの食品ロスが発生してしまっている[2]。食品ロスは、自然環境や社会、経済などの様々な面で悪影響を及ぼしている。また食品ロスの解決は、SDGsの目標の12「つくる責任つかう責任」に該当しており、今注目すべき課題であるといえる。この課題に取り組むために、規格外品の認知度を高め、購買意欲を喚起することが急務であると考えた。 

 以上の2つのことから私たち「食育農業班」は、若者に農業の魅力を知ってもらうこと、規格外品の価値を理解してもらうことを通じて食品ロス削減に貢献することを目指した。この目標を達成するために、二弾にわたるプロジェクトを実施した。 

2.協力いただいた方の紹介

本プロジェクトでご協力いただいた農家の皆さまを紹介する。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

​ ​​(青空くっきんぐにて撮影。最前列がお世話になった皆様。前列左から藤川さん、鈴木さん、小野田さん) 

 

藤川さん (株)エピテック代表取締役

今年の5月前半に東洋大学にお越しいただき、農作物規格外品や農業の現状について講義をしていただいた。それ以降、プロジェクトを実行するにあたって、計画から現地での手配と多くのサポートをしていただいた。 

 

鈴木さん

茨城県筑西市で兼業農家を営んでいらっしゃる方で、プロジェクトを行うきっかけを作っていただいた。今年の5月のゲスト講義にも藤川さんに同行くださり、貴重なお話をいただいた。プロジェクトでは、現地の農家の方々へのご協力の取り付け、野菜の種まき、収穫など現地での準備や設営など様々なサポートをしてくださった。 

 

小野田さん】

茨城県筑西市で兼業農家を営んでいらっしゃる方で、現地では一番お世話になった方である。プロジェクトを行うにあたり、鈴木さん同様、現地の準備や設営をサポートしていただいた。 

 

大畑さん 】

茨城県筑西市で椎茸とお米を栽培していらっしゃる方で、第一弾・第二弾とお世話になった。第一弾では椎茸の栽培ハウスにお邪魔させていただき、椎茸の栽培についてお話を伺った。第二弾では青空クッキングで使用したお米・シイタケを提供していただいた。 

 

徳田さん (株)QUALITE代表取締役 / (株)Shelltas代表取締役 】

SeaFectについてのインタビューをさせていただいた。SeaFect(詳細は後述する)は、農作物に与え免疫力を高めるほか、手指や調理器具、けがの消毒にもなるし、虫よけにもなるなど、様々な用途で使用できる。作付けした野菜へ塗布したり、青空クッキングでも消毒や虫よけなどの多様な用途で使用した、SeaFect水溶液を提供していただいた。 

 

3.第一弾『突撃!AGRICULTURE IN SUMMER!』

 まず、我々は事前に食品ロス規格外品SeaFectについて論文などを用いながら情報収集をした。情報収集後、その内容をもとに農家の方々にお話を伺い、さらに自分たちで実際に農業体験をすることで、農業の何に楽しさを感じるのか、大変なことは何なのかを理解できると考え、第一弾を実施した。 

  まだ暑い盛りの9月下旬、我々は茨城県筑西市に行き、ビニールハウスの設置作業野菜の作付けインタビューと三つの活動を行った。筑西市は茨城県の西部にある。2005年に下館市・関城町・明野町・協和町の1市3町が合併し筑西市になった[3]。人口は平成17年から現在まで右肩下がりであり、令和7年1月現在で97,165人である[4][5]。 筑西市には筑波山という大きな山がある。2月と10月は筑波山の山頂から朝日が昇るダイヤモンド筑波を見ることができる[6]。特産品は、秋に収穫できる常陸秋そばや5月6月に出荷のピークを迎えるこだますいかがある[7] 。筑西市には4大祭りである下館祇園まつり・どすこいペア・あけのひまわりフェスティバル・小栗判官まつりが有名である[8]。

 

 当日は、まず、ビニールハウスの設置作業を行い、青空くっきんぐで使用する野菜の作付けを行った。ビニールハウスの設置作業においては特に骨組みにビニールを張る段階で、予想以上に力を要することが実感できた。 
 作付けした野菜は、ほうれん草・にんじん・大根である。この作業はしゃがんだ姿勢で行う必要があり、体力を多く使うことを実感した。この二つの作業から農業従事者の高齢化が大きな課題であると再認識した。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        

 

   次に、藤川さんや鈴木さんへのインタビューを実施した。インタビューに際しては、農業・規格外品・SeaFectに関する質問項目をあらかじめお送りしておいた。以下、インタビュー内容である。   

 

【農家さんへのインタビュー】

 農家さんに普段の農家のお仕事についてお聞きした。まず、農業に従事していない人たちが、農業に興味を持っていると感じるときに、農業の楽しさを実感するという。一方、辛さについては、夏の暑さや冬の寒さの中で作業をしているときで、特に雑草管理は大変とのことだ。 

 また、現在の課題についてお聞きすると、集中豪雨や夏の気温上昇など多発する異常気象に振り回されているという。農家さんは肌で温暖化のスピードが早まっていると感じていて、それに合わせて、人間が温暖化した環境にあった作物を作る工夫が大切と述べていた。農作物という活きた題材を相手にしている農家さんが、まっさきに異常気象による変化を感じているのだ。 

このような課題に対し、新しい栽培方法を試行錯誤することで対策を進めている農家さんの姿は真剣そのものである。農家さんは、我々学生に対し、「自然に触れる生活を体験して、都市にこだわらない生活を知って欲しいですね。農業は、「生命産業」であり、「国土保全」でもあることを知ってほしいです」と語っていた。 

私たちが普段当たり前に食べている農作物が、このような農家さんの努力によって支えられていることを改めて実感した。いつもの食事が尊く感じるようになり、日々の「いただきます」「ごちそうさまでした」を料理を作った人だけではなく、生産者の方々を思い浮かべて、心を込めて言うようになった。また、農業は、環境の保全や生物の多様性を維持することに貢献されていることを再認識した。農業は、国を豊かにする産業であり、もっと様々な人に知ってもらいたいと思った。 

 

   次に、規格外品についてお聞きした。規格外品とは、作物には市場で定められた大きさ・形・色・品質について「規格」を満たさない作物を指す。農林水産省のデータによると、2022年の野菜収穫量は1,284万2千トン、出荷量は1,113万7千トンである[9]。規格外野菜の廃棄量が明確に分かっていないが、収穫量から出荷量を差し引くことで、出荷基準に満たない野菜の未出荷量を推定することができる[10]。その結果、170万5千トンが廃棄されていることになる。この出荷基準に満たない野菜を規格外野菜とみなすと、多くの食材が規格外品として廃棄されていると考えられる。 
 野菜の規格は農家である程度選別をし、その後卸売市場で確定をされる。収穫物のだいたい4割くらいは規格外になっており、自分たちで消費できない場合は、そのまま緑肥として畑に返すことが多いという。農家さんは自ら作った農産物が廃棄対象になってしまう事態に心を痛めている。 

これまで、野菜の取り放題体験を実施し、農業の現状を多くの人に知ってもらう機会づくりなどに取り組んできた。地域の小学生を対象に、プログラムを提供したりもした。また、瞬間冷凍や乾燥など保存期間を延ばす取り組みも実施している。しかし、売れないことには価値がでない。作ったものを美味しく残さず食べるという気持ちが大切だと語った。また、農家さんは自ら育てる体験をして、食事に感謝することが若者にとって食品ロスを削減するための第一歩になるだろうと語った。 

 

   規格外農産物の廃棄問題については、我々も論文や報告書の事前調査においてある程度のことは知っていた。しかし、こうして農家さんから実体験をお聞きすることで、規格かどうかの選別をする難しさや、食品ロスを引き起こす規格外農産物の多さから、それらを活用する働きかけの重要性を改めて理解できた。また、廃棄を避けるために工夫している農家さんの取り組みから、若者に農業の現状を伝えることの大切さを理解できた。農業に従事している人々の努力や工夫を知ることで、農業の価値や重要性に対する認識が深まり、若者の農業に対する関心を高めることができると感じた。この規格外農産物の廃棄問題が解決に向かうには、論文や報告書などの外部の視点だけではなく、実際に影響を受けている農家さんのお話を聞いて一緒に解決策を見つけていく必要があると考えた。 

 

【SeaFectについて】

 SeaFectは、海洋性カルシウムパウダーである。原料は、主にホタテ貝殻焼成パウダーから作られている。藤川(2024)によると、この製品は、ホタテの貝殻は産業廃棄物として処理されているが、これを廃棄することなく価値ある製品として活用できる方法を模索する中で生まれた。SeaFectを水に溶かした「SeaFect水溶液」は独自の技術でpH12.5前後を示す強アルカリ性の商品であり、除菌・抗菌・一部の消臭・油脂分解などに優れている[11]。 

 今回は機会があり、 株式会社QUALITEの徳田さんとSeaFect水溶液を農業に活用されている藤川さんに直接インタビューさせて頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【徳田さんと藤川さんへのインタビュー】

 農作物にSeaFectを与えると、①免疫力があがり病気にかかりにくくなる、②果実の保水力があがる、③花や実など子孫を残す部分が活性化する、などの効果が見られたそうだ。実際にSeaFectを与えたトマトは、大きくみずみずしく、また、おいしく育った。2年で実ると言われたいちじくにSeaFectを与えると、なんと植えてから3か月で実がなりはじめたとのことである。 

 農薬とSeaFectの違いは、農薬は目的に対して効果がピンポイントであること、栄養を与えるにしても化学的な物を与えるのに対し、SeaFectは、ホタテの貝殻という自然のものからできていることである。SeaFectは、農作物の免疫を上げることによって、虫に食われにくくなったり、病気になりにくくなったり、保水力をあげて糖度を高めるなどオールラウンドに効果があるそうだ。 

 農作物にSeaFectを与え育てる際の課題は、与える分量である。SeaFectをあげすぎると、カルシウムの効果でトマトの茎が硬くなって折れてしまったことがあった。また、子孫を残そうとする力が強まる傾向がある。例えば、葉物野菜は、葉が育つ前の小さな段階で花芽がついてしまい、栄養が花や種子の方にいってしまったそうだ。その際はSeaFect水溶液の濃度を薄めたり、与える頻度を少なくしたりしている。 

インタビューを通して、SeaFectは様々な場面で使える万能水溶液だと感じた。まず、野菜を作付けする際に使用して、野菜の免疫力を高めて虫や病気から守ってくれる。実際、SeaFectを使って育てた野菜を食してみると、とても美味しかった。特にほうれん草がスーパーで並んでいるものの1.5倍くらい大きく育ち、味も濃くて今まで食べたほうれん草の中でも格別であった。これから、SeaFect水溶液が農家さんの心強いパートナーになるだろう。後述する「青空くっきんぐ」では、まな板や鍋の消毒にもSeaFectを利用した。ホタテの貝殻という自然の素材から出来ているため、安心して使うことができた。 

SeaFect水溶液は強アルカリ性であるが、人体に無害でその仕組みについては現在実証研究が続いている。さらに虫よけとしても活用できるため、一家に一つあるととても便利だなと思う。 

 

 

 

 

 

 

4.第二弾『青空くっきんぐ』 

 

 11月中旬、茨城県筑西市の実験農場にて、『青空くっきんぐ』を開催した。東京の大学生を中心に約20名(ゼミ生含む)が参加し、収穫体験や農作物を使った料理や規格外品をテーマにしたクイズを行い、食と向き合う一日を過ごした。山々の紅葉と農地の緑のコントラストがきれいな東京では味わえない自然に囲まれ、青空の下で行われたこの体験型イベントは、多くの参加者にとって忘れられない思い出となった。 

 東京都心から筑西市の会場までは車で約2時間。会場に到着すると、まず迎えてくれたのは牧場で飼育されている10羽ほどのダチョウであった。柵の中を自由に走り回るダチョウの姿に参加者は興味津々。一緒に写真を撮ったり、近くの草を餌として与えたり、普段はなかなかできないダチョウとの触れ合いの時間を楽しんだ。 

 

収穫体験

  最初のプログラムは、ほうれん草、大根、さつまいもの収穫体験。 

今回の収穫野菜のうち、ほうれん草と大根は、9月に行われた第一弾のイベントで食育農業班のメンバー自身が実際に作付けを行ったものである。 

食育農業班メンバーは「ちゃんと育っているかな」とドキドキしながら作業をスタートさせた。作付け作業で感じた「しゃがんだ作業の大変さ」を思い出しながら収穫体験を行ったが、農作業の苦労を改めて実感することとなった。土から引き抜いた立派な野菜を見ると、メンバーは安心と喜び、驚きが入り混じった表情を見せていた。自らの手で収穫した新鮮な野菜はスーパーで買うものとは違う迫力があった。 

 一方、イベントに参加した大学生は今回が初めての筑西市訪問であり、農作業自体も初体験という人がほとんどであった。慣れない土の上を歩くことにも最初は戸惑い、「こういう作業の仕方でいいのかな」と恐る恐る作業を始めたが、次第に自信を持つようになり、気づけば手際良く野菜を抜く姿が見られた。 

参加者が土に慣れていき、次第に楽しそうに野菜を収穫していく姿はとても印象的であり、この体験を通じて、食材の成り立ちや新鮮な農産物の魅力を肌で感じる貴重な機会となった。 

 

料理教室

 収穫後は、採れたての(一部に規格外)野菜を使った料理体験である。ほうれん草や大根はもちろん、地元農家の大畑さんから頂いた椎茸やお米も活用した。蒸し野菜や豚汁を作ったり、関係者のみなさまのご厚意でバーベキューを楽しんだりと盛りだくさんだった。 

まずは、火おこし組料理組に分かれて作業をスタート。 

火おこしは、適当な火吹き棒のようなものを作って挑戦したが、湿った木がなかなか火をつけてくれず、みんな悪戦苦闘。それでも藤川さんや鈴木さんに教えてもらいながら、なんとか火がついた瞬間には拍手と歓声が上がった。 

 一方の料理組は、野菜を切ったり、蒸し野菜や豚汁を仕込んだりと大忙し。初めての野外料理に「どこに何を置くか?」と戸惑ったり、20人分の分量に悩んだりしながらも、協力して進めていった。 

お米を研ぐときに出た水は畑に返した。大根やにんじんの皮は肥料にした。これまで無造作に捨てていた部分まで大切にする工夫を知ることができ、楽しい学びとなって、とても気分が良かった。 

 みんなで「いただきます」をして食べ始めると、自分たちで収穫した採れたての野菜が本当に美味しいことを実感した。ほうれん草のシャキシャキ感、大根のみずみずしい甘さ、椎茸の旨みに、食材のポテンシャルの高さを実感した。椎茸が苦手な学生も、「これなら食べられる!」と驚くほどパクパク食べていた。 

 さらに、バーベキューをしたり、ダチョウ肉を使ったローストビーフ(ビーフではないが)も作った。ダチョウ肉の、淡白で癖のない味わいは参加者に大好評あった。 

その場にある調味料と食材を使って藤川さんが次々に作る手料理も圧巻で、特に大根の葉とダチョウの肉で作ったチャーハンは大人気だった。捨てられるはずの食材を無駄なく使うことで、今回のイベントの意義をさらに深めることができた。 

 青空の下、自分たちで収穫し調理した料理をみんなで囲む時間は格別であった。この体験を通じて、参加者は食材の大切さや農業の魅力を実感し、食と向き合う新たな視点を得ることができた。 

 

規格外品に関する「学びの時間」】 

 また、このイベントの醍醐味の一つである規格外品に関する「学びの時間」では、複数のグループに分かれてスマホでPPT資料を共有し、クイズも実施した。クイズでは、椎茸やさつまいもの規格品と規格外品を実際に見比べ、形やサイズが規格外でも、食材本来の価値が変わらないことを改めて考えてもらう内容にした。特に盛り上がったのはさつまいもの問題だ。さつまいもの形の複雑さから解答に苦戦する学生が多く、慎重に答えを選ぶ様子が見受けられた。正解を発表すると驚きの声が次々と上がり、これが普通に売れないなんて勿体無い!という声もあった。 

     

 この「学びの時間」を通して、見た目の印象だけで判断しがちな自分たちの価値観に改めて気づかされたと語る参加者もいた。我々も、資料を作成したり説明したりすることで、自分たちの心に深く知識として蓄積できたように感じた。これまで何気なくスーパーなどで選んでいた農作物のワゴンの前で、手に取った農作物の裏側にも思いを巡らす一瞬がよみがえるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

​5.さいごに

 我々のプロジェクトでは、夏前から始まって9月と11月のイベント2回を実施した。第一弾のプロジェクト「突撃!AGRICULTURE IN SUMMER!」では、作付け体験や野菜の収穫など、普段は経験できない貴重な体験ができ、農業の楽しさや大変さを直接感じることができた。この経験を通じて、もっと多くの若者に農業について知ってもらうために、どのようにアプローチすべきかを改めて考える機会になった。 

 第二弾の「青空くっきんぐ」では、規格外品を使った豚汁や蒸し野菜を作り、規格外品に直接触れる体験を通じて、食品ロス問題への理解を深めた。この活動を通じて、日常的に見過ごされがちな規格外品の有効活用方法を学び、食品ロス削減に対する関心が一層高まった。今回参加してくれた学生たちが、こうした取り組みを通じて食品ロス問題に積極的に関わり、少しでも食品ロス削減につながることを期待している。また、今後は食品ロスと農業の現状についてもっと多くの人に知ってもらい、食品ロス削減や農業就業人口の増加に貢献していきたいと考えている。 

 最後に、今回私たちのプロジェクトにご協力いただいた藤川さん、徳田さん、そして農家の方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 

 

 

【参考文献】 

 

[1]村上理一(2024).「人口減少社会におけるデジタルを活用した地方創生」『経済政策ジャーナル』21(1),49₋53. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeps/21/1/21_49/_pdf/-char/ja (2025年1月17日参照). 

[2]農林水産省「食品ロスとは」. https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html (2025年1月17日参照) 

[3]筑西市公式ホームページ.「位置と地勢」https://www.city.chikusei.lg.jp/page/page000038.html (2025年1月20日参照). 

[4]筑西市公式ホームページ.「常住人口」https://www.city.chikusei.lg.jp/page/page000661.html(2025年1月20日参照). 

[5]筑西市公式ホームページ.「令和5年度統計要覧」 

https://www.city.chikusei.lg.jp/data/doc/1712123595_doc_41_0.pdf(2025年1月20日参照). 

[6]筑西市観光協会(2019).「筑波山と母子島遊水地」 

http://www.chikuseikanko.jp/index.php?code=327(2025年1月20日参照). 

[7]筑西市公式ホームページ.「特産品 農産物」 

https://www.city.chikusei.lg.jp/page/page006864.html(2025年1月20日参照). 

[8]筑西市観光協会.「観る イベント・まつり」 

http://www.chikuseikanko.jp/dir.php?code=273 (2025年1月20日参照). 

[9]政府統計の総合窓口(2024).「作物統計調査/作況調査(野菜)長期累年」https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500215&tstat=000001013427&cycle=0&tclass1=000001032286&tclass2=000001037845&stat_infid=000040137641&cycle_facet=tclass1&tclass3val=0(2025年1月26日参照). 

[10]二宮麻里(2023).「規格外品の誕生:1920年代~70年代における農作物の工業製品化」『大阪公立大学経営学会』73(4), 25-48. 

[11]藤川遼介(2024).「サーキュラーエコノミー実現に向けたローカルプロジェクトフレームワークの 考察 -「SeaFect」を題材に考える日本のモノづくり技術の可能性-」『社会起業研究 』4,19-39. 

(作付けの様子)

(作付けの様子)

(設営の様子)

​インタビューの様子(徳田さんと)

Seafectの効果(藤川さん提供)

グループに分かれてサツマイモクイズを行った

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